Monday, December 22, 2008

愛とはかくも難しきことかな14*




「あ、起きた」
 その声に足下に目をやると、双子のどちらかがこちらを見上げている。いや、見上げているというよりは、スカートをまくりあげていた。
「なんだ、やっと起きたのかよ」
 振り向くと双子のもう一人が自分を抱き込むように座っているではないか。
「……っ!……っ!っっ!!」
 声にならない悲鳴をあげて、その腕から逃げ出そうとすれば逆に強い力で抱き込まれてしまった。
「ふふふ二人ともなななな何をしているんですかっ!」
 パニックにならない方がおかしい。
 夢のようなベッドに寝転がってどうやらうたた寝をしていた筈なのに、気がつけば血の繋がっている筈の双子の兄弟にあきらかにセクハラに当たる行いをされていただなんて。
「何って、ナニ?」
「そうそう、ナニをしようとしてるだけだって」
 二人は双子なだけ息ばっちりに、意地悪い笑みを浮かべながら止まっていた手を再開する。
 開いた胸元から入り込んだ手は、ブラをしていなかった萌の胸を揉みしだくように触ってくる。足下にいたもう一人は、ゆっくりと萌に見せつけるような手つきで、乱れたスカートの裾から足のつけねに向かって手を滑らせていく。
「や、やだっ、なんで、やめてよぅ、やだやだやだやだぁ」
 じたばたと足を動かして抵抗すれば、すぐに足の上に体重をかけられて、動かせなくなってしまった。
「やだって言ってるけど」
「言ってるなぁ」
 一人がそう可笑しそうに言えば、もう一人もくくくっと笑う。
 背中にいる彼の笑いが振動になって伝わってくる。
「やっ、おかしいよ、おかしい。血が繋がってるのに、こんなこと」
「さぁて、本当に繋がってるのかな」
「あの父親の言うことだからな、ちょっと疑わしいよな」
 信じてないからこんなことをするのだろうか。
「ほっ、本当だもん。DNA鑑定の結果見せてもらったもん!」
 そう言ったら彼等は一瞬驚いたように目を見開いた。
 やっぱり信じてなかったから、こんなレイプまがいなことをするんだ。妾腹だなんだって虐められたのも、血が繋がってない娘が御堂に取り入ろうとしてるんだって勘違いしたからなのかも。
 それなら、血が繋がってるって分かったなら、彼等の態度も少しはマシになるかと思ったんだけど。
「……んー、まぁ、血が繋がっていようが、別にどうでもいいか」
「だな。異母子だし、従兄弟同士で結婚できるんなら、似た様なもんだ」
「な、なんでー?!」
 首筋をでろんと舐められて背中がぞくぞくした。
「やだぁ」
 胸の頂きを弄ばれ、指先でぴんと引っ張られる。止めようと伸ばした両手は手首を掴まれるだけで、軽々と自由を奪われてしまった。後ろに手を回され、自然に前屈みのような格好になると、背中につつ、と舌が這う感触がする。
「あっ、駄目」
 太腿の内側にも同じ感触がした。
 目を開けてみれば鼻先に足下に居た彼の髪の毛が見えた。シャンプーなのかワックスなのか少し甘い香りがして、くらくらする。
 克巳さんに用意された物の中にあったガーターベルトとそれ用のストッキングをつけたのを今更ながらに後悔した。一番守らなければいけない部分の面積がカバーされていない。
 魔の手は太腿の外側を通って脇腹を撫で、そしてまた降りてくる。今度は明らかにヘソの下から足の付け根に向かっているのに気づいて悲鳴をあげた。

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